黒酵母βグルカン(アウレオバシジウム)培養液テクニカルレポート


2 小動物臨床データ-1


イヌ毛包虫症に対する免疫療法としてのβグルカン製剤の投与

■第55回九州地区獣医師大会

1 はじめに

 イヌ毛包虫症は免疫不全によってその病態がさらに悪化すると考えられている。今回長期にわたって一般治療に反応しなかった症例にβグルカン製剤(商品名アウレオ)を追加し良好な結果を得ることができたので報告する。

2  症例

 成犬から老犬までのイヌ毛包虫症と診断され一般治療に反応しなかった5例を用いた。
●シーズー   7才
●プードル  10才
●マルチーズ 11才
●パグ    2.5才
●シーズー  14才

3 治療法

現行治療+βグルカン製剤(アウレオ)を1日1回投与(0.6ml/kg)

4  検査法

皮フ検査、血液血球検査、リンパ球幼若化試験

5 結果

1) 皮フ検査では、1週間前から1ヵ月間で陰性化した。
2)血液血球検査では白血球数が治療前平均14,800が治療後9,300となった。
3)治療前後のリンパ球幼若化試験ではマイトゲンCOAに対する反応ではS.I.値平均が前0.575→後7.8となり、PHAではS.I.値平均が前12.05→後30.45と上昇した。

6 考察

 イヌ毛包虫症のうち長期の殺ダニ剤、イベルメクチン等の治療に反応しなかった症例に補助療法としてβ-グルカン製剤を併用することにより治癒に導くことができた。皮フ検査では早いものでは1週間で虫体を確認できなくなりその効果が示唆された。血液血球検査では白血球数が正常化し、リンパ球幼若化試験では、マイトゲン(COA,PHA)に対する反応が上昇した。以上のことから、殺ダニ剤にβ-グルカン製剤を併用することにより細胞性免疫を賦活化し、治癒させたことが示唆され、今後さらに例数を増やし、その有用性について検討する予定である。
図1 血液血球検査 表1 リンパ球幼若化試験