黒酵母(アウレオバシジウム)β−グルカンの投与でトリの産卵率が向上
試験内容
試験依頼先:B養鶏業者 (ブロイラーひな生産羽数:1,300万羽/年)
試験実施期間:平成20年6月から7月
実施農場:B養鶏業者直営種鶏場
試験動物:チャンキー種鶏(6,000羽)
試験要領:34週令~38週令まで
検体:アウレオ原液を粉末化工
給与方法:飲水添加(40g/日)
試験区:1群、対照区:2群を設定
■試験飼料
黒酵母(アウレオバシジウム)培養液粉末
■給与方法
飲水に対して検体を40g/日添加。
■試験方法
黒酵母(アウレオバシジウム)培養液投与群と非投与群で産卵率を比較した。
結果
- 黒酵母(アウレオバシジウム)培養液投与群は産卵開始25週令時より産卵成績が悪く、産卵ピーク29週令以降も非投与群と比較して低調であったが、黒酵母(アウレオバシジウム)培養液粉末給与開始2週間後の36週令時には非投与群の産卵率に追いつき、37週令時には非投与群の成績を上回った(図1、表1)。
- 給与を終了した38週令以降も黒酵母(アウレオバシジウム)培養液投与群は非投与群の産卵成績を上回り、その成績を維持した(図1、表1)。
考察
黒酵母(アウレオバシジウム)培養液およびβ-グルカンは経口投与によって生体の免疫細胞を賦活化するといわれており、獣医領域においても感染症予防や抗腫瘍を目的に小動物臨床の現場での実績がある。本試験における産卵成績の改善結果については免疫細胞の賦活化効果による説明が困難であり今後の研究の課題ではあるが、試験を行なった種鶏場の管理者によると、非投与群と比較してアウレオ投与群は鶏の食欲、活動が活発で状態が良いとの報告があり、このことから密飼いによる高ストレス下で免疫機能が低下しているであろう鶏の免疫が賦活化され健常化することにより、産卵成績が向上したことが推察された。
黒酵母(アウレオバシジウム)β−グルカンの投与でトリの産卵率が向上